あえて表現されてない世界
情報は目的の元に発信されているモノです。つまり、意図がないと通常は発信されません。
情報の中にあえて表現されてない世界を知ることが出来るようになると発信している側の意図を探ることができます。
意図が探れるようになると相手と仲を良くすることも、仲を悪くすることもどちらもできるようになります。しかし、意図せず発信している場合は受信側の気分次第でどうとでも解釈されてしまうものです。そのあたりを詳しく見ていきましょう。
日本語の解釈の難しさ
発せられた情報であるコトバ。コトバは文脈と行間により解釈が想像が可能な範囲で無限に広がります。文脈は構造を解析することで行間は書かれていないコトを補完するコトです。行間を読むコトは「雰囲気を察する」や、とある事件で有名になったコトバの「忖度する」に当たります。
では、日常の行為の中であってどんな事がそれに該当するのでしょうか?
少し混乱するかもしれませんが詳しく見ていきましょう。
- 顔見知りに会ったからこちらから挨拶した
- 顔見知りに会ったけどこちらから挨拶しなかった
まずは挨拶というコトバの定義を押さえてから構造を見てみましょう。
---挨拶 ---
1.人と会ったとき取りかわす儀礼的な動作・言葉。「初対面の―」
2.儀式・就任・離任などの時、祝意・謝意・親愛の意などを述べる言葉。
「一場の―を述べる」
とあります。
書いてあるとおり1.は「会ったとき取りかわす儀礼的な動作」という目的が書かれており、2.は「儀式・就任・離任などの時」「祝意・謝意・親愛の意など」の目的により使用されるものであると書かれています。
一つ目の文の行間は顔見知りに会って挨拶したという事実から「学校の友達」や「職場の知り合い」「ご近所さん」等々、書かれていないことから思い浮かぶモノが行間に当たります。
他にも「挨拶しなかったのは気まずい関係なのかな?」や「喧嘩でもしたんだろうか?」「そんなに密接な関係じゃないのかな?」等の想像も出来てしまいます。
ですがこれらは想像・妄想であって事実ではありません。2つの文章にはそれが明記されていないからです。
コトバの裏に隠れている目的
再び顔見知りに会ったときの状況で考えてみましょう。
「こちらから挨拶した」ということは何かの意図を持ってその行為に及んだということです。挨拶するのが当たり前と思っている方は挨拶という行為で相手からの返事を期待しての行為だったり、続いての会話を楽しむ目的での行為だったり、何か聞きたいことがあっての行為だったりと、理由は様々だと思います。
しかし、期待してる反応が帰ってこなかった場合に問題が起こります。
- 挨拶したのに返事がなかった
- 急いでいるのでと言われてしまった
- 聞きたいことをはぐらかされた
いずれの場合も期待と異なった結果が得られています。辞書の定義に添うと
1.は会ったとき取りかわす儀礼的な動作を拒否されたですし、
2.は親愛の意を拒絶された
3.は人と会ったとき取りかわす儀礼的な動作は達成されたが別の目的は達成されなかったですね。
では、どのように意図を探って行けばよいのでしょうか?
それにはまず、前提を知っておく必要があります。
2つの前提
戦いで考える
受信側が扱いを決める
意識してようがしていまいが、戦いは日常的に起こっています。対人だけでなく、対生物という括りや対ウィルス、対自然と考えれば納得はしやすいかもしれません。戦っていないと主張するのは構いませんが、意識しなくても相手が弱いから鎧袖一触状態になっているだけです。細菌や雑菌は人間の体に常時付着していますし、万全の準備をしているから戦いを挑まれるのは興行や見世物だけです。備えていてもいなくても自然は猛威を振るってきますし、警戒せず山道で熊に出会ってしまったら上手く躱さないと襲ってきます。免疫が落ちていると普段は何でもない雑菌が体内で繁殖してしまい体調が悪くなるのです。戦いになるのは自身の隙きを見つけられてしまったからです。
原則は発信側が先に手を出しています。つまり先攻と言うことです。よく、「何もしていないのに害された」ということは起こります。これは何もしていないのではなく、相手の気に入らない行動を無自覚で行っていて、その結果害を受けるパターンと本当に相手も意図せず害を受けるパターンに分かれます。前者は見た目や匂い、動きや言動、肩が当たった、荷物を当てた、邪魔をした場所を奪った等々受け手の気に入らないと感じさせた行為全てに当たります。網羅しきれないですが、出会ってしまった時点で不幸が始まります。
受信側が扱いを決めるというのは上記の通りです。攻守に分けていますが表裏一体です。
害を与えようと思って攻撃に移るまでにはいくつかの過程を経て行われるのですが、攻防については長くなるので別の機会に解説します。
意図していない目的
無自覚で情報を流している一方で、自覚を持って情報を流すグループが居ることを想像するのは難しくないことです。
例えば広告には商品を買ってもらいたくて良いイメージを持たせるため好感度の高いタレントを起用し、購入するとこのようなメリットがあるといった内容を喋らせて目的を持って情報発信していますし、政治家はとある問題に対しての賛成や反対の立場の情報発信をすることで立った側の利益を守る代表として振る舞うわけです。
では、イジメられてしまう人たちはどういった情報発信をしてしまっているのでしょうか?
- 見た目の情報発信
- 身に着けているモノ
- 所作
- 風貌
- 音の情報発信
- 会話の流れ
- 会話の内容
これらの項目は意図的・意図せずの両方に関わらず目に触れることや声を掛けられただけで情報のやり取りが発生してしまうことです。
意図的に行っていれば単なる嫌がらせですし、意図せず行っているのであれば周囲からちょっと変だな?と思われ若干距離を置かれることになるでしょう。
移動の制限された不自由な空間に一緒に居続けなければならない場合、陰口に発展したり、目の前で露骨に嫌がられたり、無視されたりといった一般的に想像できるイジメの行為からさらにエスカレートすることで、暴力を振るわれたりモノを取られたりといった告訴・告発が可能な事件として扱えるくらいまで発展してしまう行為が行われる可能性が生じます。
イジメの対象になってしまうヒトはこれらの情報発信で受取り側の気に障ってしまうことがきっかけとなり、エスカレートした結果、現象としてのイジメに遭遇してしまうということが挙げられます。これ以外にも幾つかの要因が重なった結果、現象としてのイジメが現れることになります。
イジメを防ぐのは幾つかの要因の全てではないにしろ、詳しく知り対策を行うことで重大になる前に簡単に抑えることが可能となります。
次回は受取り側で何が起こっているのかを詳しく見て行きましょう。
詳しく知りたいなと思った方は次回もお楽しみに。